令和7年4月、おそらく延岡市で初となる、特定空家等の略式代執行の実施に係る公告が行われました。
(延岡市公告第160号)
これにより、該当の空き家は強制的に解体され、その費用は所有者等へ請求される事となります。
行政代執行とは?
行政代執行とは、行政機関が法令に基づき、義務者(この場合、空き家の所有者)が履行すべき義務を履行しない場合に、行政が自らその義務を代わりに実施し、その費用を義務者に請求する制度です。
具体的には、老朽化や倒壊の危険性が高い空き家が放置され、所有者が適切な対応を行わない場合、自治体が所有者に代わって解体や撤去を行い、その費用を所有者に請求します。
この費用は高額になることが多く、所有者にとって大きな経済的負担となります。
また、上記のような特定空き家に指定されると、固定資産税や都市計画税の軽減措置が受けられなくなるなど罰則が課せられる可能性もあります。
特定空き家とは?
延岡市を含む全国の自治体では、「空き家対策特別措置法」に基づき、放置された空き家が周囲に悪影響を及ぼしている場合、「特定空き家」に指定されることがあります。
具体的には、以下のような状態の空き家が対象となります。
- 建物が老朽化し、倒壊の危険性がある
- 周囲の景観を著しく損なっている
- 害虫や害獣の発生源となっている
特定空き家に指定されるとどうなる?
特定空き家に指定されると、先述の固定資産税や都市計画税の軽減措置が受けられなくなるほか、行政からの指導や命令が出る場合があります。
命令に従わない場合、強制撤去や罰則が課せられる可能性もあります。
つまり今回は、特定空き家に指定された後、指導や命令に従わなかったため、延岡市が強制撤去に踏み切ったわけです。
空き家の行政代執行 公告の内容
除却する特定空家等
- 所在地:延岡市大貫町四丁目2599番地6
- 用途:住宅
- 代執行を行う期間:入札による(令和7年6月予定)
- 必要な措置を行う者:入札による
- 執行責任者:延岡市都市建設部 空家施策推進室長
- 代執行に要する費用:300万円(概算見積額)
- 問い合わせ:空家施策推進室
空き家の適切な管理方法
空き家の所有者は、以下の対策を講じることで、上記のリスクを回避し、行政代執行を防ぐことができます。
- 定期的な点検とメンテナンス
建物の状態を定期的に確認し、屋根や外壁の修繕、雨漏りのチェック、庭の草木の手入れなどを行いましょう。これにより、建物の劣化を防ぎ、安全性を確保できます。 - 防犯対策の実施
窓やドアの施錠を確実にし、防犯カメラやセンサーライトの設置を検討することで、不法侵入を防止します。また、郵便受けの整理や照明の設置など、生活感を演出することで、空き家と認識されにくくなります。 - 適切な管理の委託
遠方にお住まいの場合やご自身での管理が難しい場合、専門の不動産会社や管理業者に管理を委託することを検討してください。これにより、専門家の知識と経験を活用し、適切な管理が行われます。 - 売却や賃貸の検討
空き家を活用する方法として、売却や賃貸を検討することも有効です。特に、リフォームやリノベーションを行うことで、物件の価値を高め、需要を喚起することができます。

空き家の相談窓口の取り組み
空き家の管理や活用についてお困りの際は、専門の不動産会社や行政の相談窓口にご相談いただくことをお勧めします。
専門家は、物件の状態や立地、所有者のご意向に応じて、最適な解決策を提案いたします。
また、国土交通省では「不動産業による空き家対策推進プログラム」を策定しており、不動産業者が空き家の発生から流通・利活用まで一貫してサポートするように促しています。
弊社「株式会社タウンマネージャーのべおか」は、延岡市の空き家対策に積極的に取り組んでおり、空き家の相談窓口として空き家管理の専門資格者も在籍しております。