2025.12.11~12に福岡県大牟田地区、糸島地区の空き家活用視察ツアーに行ってまいりました。(主催:一般社団法人SINKa)
いくつかの訪問先概要を備忘録として記しておきます。
1. マルシェのお店《gosenfu》:若者の挑戦を支えるDIY拠点


元々は美容室だった空き店舗を、地元の有志や若者たちがDIYで蘇らせたチャレンジショップです。
- 多機能な空間: シェアキッチン、シェア棚、起業家向けシェアオフィスを備えています。
- 特徴: 「自分のお店を持ちたい」という若者が、低リスクでスタートを切れるスモールステップの場として機能しています。五線譜(gosenfu)のように、それぞれの個性がハーモニーを奏でる場所を目指しています。
2. イノベーション創出拠点《aurea(アウレア)》:歴史を繋ぐビジネスの核


昭和初期に建てられた「旧大牟田商工会館」をリノベーションした、重厚感溢れるイノベーション拠点です。
中を抜けるとBBQもできそうな庭スペース、その先には「年金通り」という昭和の雰囲気をかもし出す飲み屋街が…
- 施設機能: 最新のコワーキングスペース、貸しオフィス、イベントスペースに加え、1階にはカフェも併設。
- 特徴: 登録有形文化財としての歴史的価値を守りつつ、現代のビジネスニーズに応えるIT環境を整備。地域のビジネスリーダーが集う社交場としても注目されています。
3. hara harmony coffee:路面電車が憩いのカフェに

大牟田駅西口の広場に鎮座する、かつて市内を走っていた「路面電車204号」をリノベーションしたユニークなスポットです。
- コンセプト: 地元で長年愛された老舗「コーヒーサロンはら」の伝統を継承。
- 特徴: 鉄道ファンのみならず、地域住民や観光客がふらりと立ち寄れる憩いの場となっており、公共空間の活用モデルとしても非常に高い評価を得ています。
4. コミュニティスペース《あらおリビング》:駅舎から始まる街づくり


JR荒尾駅の駅舎内、かつての事務室や待合室の一部をリノベーションして誕生した交流拠点です。
- サービス: 待ち時間に利用できるカフェ、地元特産品が並ぶお土産コーナー、ワークスペース。
- 特徴: 「駅は単なる通過点ではなく、目的地になる」を体現。観光客への案内機能と、地元住民の作業スペースとしての機能を両立させています。
5. HOTEL のあそびロッジ:古ビルが提案する「遊び」の拠点

街中の古ビルを丸ごと再生し、「のあそび(野遊び)」をコンセプトにしたライフスタイル型ホテルです。
- 空間構成: 宿泊・飲食・ワークスペースがシームレスに繋がるデザイン。
- 特徴: ビジネスホテルとは一線を画す、温かみのある内装。仕事(ワーク)とプライベート(遊び)の境界を緩やかに繋ぎ、多世代が自然と集まる仕掛けが随所に施されています。
6. プログラミング塾《e-春風塾》:古民家×最新教育の融合

築年数を経た古民家を活用し、子どもたちに特化したプログラミング教育を行っている学習塾です。
- 運営の工夫: 家主がカフェとしてリフォームしたお洒落な空間の一角を「間借り」することで、固定費を大幅に削減。
- 特徴: 畳に座って最新のコードを書くという、新旧が融合した学習環境が子どもたちの創造力を刺激しています。
7. シェアオフィス《糸島よかとこラボ》:カスタマイズ自由な共創空間

閉院したクリニックの空きフロアを、入居者たちのDIYによって再生させたシェアオフィスです。
- 独自ルール: 「原状回復不要」という画期的な契約形態を採用。
- 特徴: 入居者が自分の好みに合わせて壁を塗ったり、棚を作ったりすることが可能です。愛着のある空間が、クリエイターたちの自由な発想を支えています。
8. 学生寮《熱風寮》:地域に溶け込む古民家暮らし

歴史ある古民家や空き物件をリノベーションし、学生たちの住まいとして再定義したシェア型学生寮です。
- コンセプト: 個性豊かな物件に、個性豊かな寮生が集まる。
- 特徴: 単なる住居に留まらず、地域行事への参加や住民との交流を通じて、学生たちが「地域の一員」として成長するコミュニティ重視の運営がなされています。
9. シェア型本屋《糸島の顔がみえる本屋さん》:商店街の新たな灯火


商店街にあった元洋装店のレトロな雰囲気を活かし、棚オーナー制度(一箱本棚オーナー制)を導入した本屋です。
- 仕組み: 30cm四方の棚を借り、誰でも「本屋さん」になれるシステム。
- 特徴: 出店者(オーナー)の個性が光る選書を通じて、人と人が繋がる仕組み。かつての活気を新しい形で商店街に取り戻しています。
10. コミュニティスペース《mulberry house》:農協跡地の再生


かつての「農協購買店」という地域インフラの跡地を、大学生と地域住民が交流する拠点へと転換しました。
特徴: 昼はカフェ、夜はバーとして、学生と大人が世代を超えて同じテーブルを囲みます。地域の記憶を継承しながら、新しい活力を生み出す成功事例です。
コンテンツ: カフェ、バー、ビリヤード、卓球、貸しスペース。
まとめ
全国を見れば空き家活用の手法はたくさんあり、どこでもやればできそうな事例ばかりです。
なぜ地域によっては全く進んでいないかを考えると、やはりその場所にいる「ひと」の問題なのではないでしょうか。
延岡でも「やればできる」を信じて、たくさんの「ひと」を巻き込み、空き家問題に真っ向から立ち向かっていきたいと思います。


